現在地

五官で観聴き感じたことをかきつけておきます

実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。

「実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。」ペス山ポピー

 

暴力を受けることでしか興奮できない主人公。23歳恋愛経験なし女性。

いろんなところで自分の欲求欲望を表に出すことができない、隠さないといけないと思って過ごすことがいかに難しいことか。自分のしたいことを抑える=自分を偽ることでもあって、自分で思っている以上にすごく苦しかっただろうなと思った。

だからこそ、誰かを好きになることってすごくて、ましてやその相手からも好かれるって肯定されるって、本当に世界が変わることだと思う。その描写がとても素敵だったし、それゆえ、主人公が自分を偽り出して相手に本当の苦しさを伝えないまますれ違っていく様はすごく切なかった。

 

自分を受け入れることは本当に難しくて、でもそれができないと誰かを大切にすることはなかなか難しくて。

自分のこと、守ろうとしすぎたらだめなんだよね。傷つかないなんてないから。一番傷つけたくない人を傷つけることになってしまう。もう戻れないほどに。

 

その痛みを感じ切ったところがすごくグッときた。ごまかさないで、落ち込み切ること。怖くて自分にはできないことかもしれない。

 

かなりディープな内容なのに、とても読みやすいのはなぜなんだろう。